経営には囲碁の知恵が役立つのではないか。

昔の経営者は、囲碁を嗜んでいる方が多かったが、最近の経営者には少ない。

囲碁に「厚み」と「模様」という考え方があるが、これは経営戦略に欠かせない考え方と思う。

「厚み」とは、石を固めて確実に領地を確保すること。

「模様」とは、石をまばらに置いて、領地を大きく確保するための布陣のこと。

「厚み」のために石を固めていると、周辺を全部持っていかれてしまったり、「模様」を描くために、石をまばらに置いても全然繋がらず、領地にならなかったり。
ここあたりの塩梅が難しいわけです。

「コア事業に集中と選択!」ってな経営戦略は、典型的「厚み」の戦略だが、そうやって身を固めているうちに「海外市場は全部他社に持っていかれました!」
ということが、起きるわけです。

それでは、何故コンサルは必ず「集中と選択」と言うのか。

それは、方法論が確立しているため、提案が簡単だから。
「新規事業で、新しい売上を作る」という提案は、コンサルには不可能だからだ。

新規事業は、トップダウンで市場分析しても作れない。コンサルの分析手法では、”割安な”事業を開始することができないのだ。

ハロルド・ジェニーン『プロフェッショナル・マネジャー』にある事例のように、

彼はシカゴの西方にある物置場を、その所有者の息子である顧客から、父親が売り払ってフロリダに隠居したがっているという話を聞いて関心をそそられる。その機会がおとずれるまで、彼はくず物置場を買おうなどとは夢にも思ったことがなかった。

こうした具体的な案件から始めなければ、成功する新規事業にならないのだ。

これからの経営者は「厚み」と「模様」の塩梅を体得すべきだと思う。そして今、「模様」の描き方が不足しているのではないかと思う。

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