[自在]西田幾多郎とハイデガーは何故ナチズムに傾倒していったのか。

古東哲明の『ハイデガー=存在神秘の哲学』は、ハイデガー入門として素晴らしい。
(というか、最初からハイデガーの著作を読もうと思っても歯が立たない。)
非常に読みやすい語り口で書かれていて、電車の中で読むにも最適な新書だ。

ただ気になる点が一点。ハイデガーがナチズムに傾倒していったのは、ニヒリズムへの対抗運動として世直し運動のナチズムを利用しようとした、との分析であるが、これは違うのではないか。ハイデガーがそう言っており、ハイデガー研究としては、その通りなのであろう。

ただ、西田幾多郎も東條英機の演説原稿を書いたように、結局は禅宗をベースとした哲学者の限界ではないかと思う。
玄侑宗久が言っているのだが、
「禅の弱みでもあるのだが、未来を批評的に観測してどれかを選ばなければならない場合、禅はほとんどその基準を提供してくれない。」
このことが禅宗の根本的な問題であり、西田幾多郎もハイデガーも克服できなかっ点ではないだろうか。

ハイデガー=存在神秘の哲学 (講談社現代新書)
古東 哲明
講談社
売り上げランキング: 72,438