メイカーズ。誰もが製造者になれる時代に、何を生み出そうか?

クリス・アンダーソンの「ロングテール」も「フリー」も、ただのマーケティング手法の話としか思えず関心が湧かなかったのだが、「メイカーズ」には手を出してみた。

3Dプリンターなどによる現代のDIYブームを、80年代のガレージ・バンドブームやインディーズブームに、その端緒を見るのは、非常にしっくりと来る。

80〜90年代に、音楽機材のデジタル化と、メディアのCD化によって、自宅でも録音とメディア作成が出来るようになった。いまは旧態然とした体制派メディアというイメージのあるCDも、以前は革新的な個人メディアだったのだ。大規模工場でなければ制作できないレコードから自宅でも制作できるCDへの変化は、CDからオンラインへの変化と同じように大きな変化だった。

そして、その当時ガレージ・バンドの動きに共感した人たちも、時代と共に大きく分かれている気がする。それは、ガレージに重点を置くか、バンド(コンテンツ)に重点を置くかという点だ。端的にいうと、ガレージに力点を置く人が減っている気がする。

ガレージだから、無茶しろとか、ギャンブルしろ、という意味ではなく、正業は持ったまま、少ない仲間で、おもろそうなことやればいいんじゃないかな。

そういう技術も生き方も可能になったという点で、実に良い時代になった。その幸運を感じられるように、ガレージでこっそりとモノづくりに勤しもうと思うのです。

モノづくりといってもハードウェアに拘る必要はなく、ソフトウェア作成も立派なモノづくりだろう。iPhoneやAndroidをフルセンサー付Arduinoと考えると、ハードウェアを製造委託して、ソフトウェアで新しい端末を生み出す過程ととらえることもできるわけだ。少なくともスマホ(=電話機)などという古臭い枠組みでとらえることは、流れの本質を見誤まらせる可能性があるだろう。

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる
クリス・アンダーソン
NHK出版
売り上げランキング: 24