森博嗣『喜嶋先生の静かな世界』

2012/09/08

日曜にぶらっと図書館に立ち寄ったら、森博嗣『喜嶋先生の静かな世界』が目に止まった。

新刊で出た時に、ちらっと立ち読みして面白かったので、そのうち時間が出来たらと思っていたので借りてみることにした。

装丁も白を基調としたコルビジェ風のデザインがイメージとマッチしている。

内容は、日本の大学がまだ自由だった頃の研究者の話、というかS&Mシリーズを『すべてがFになる』から、萌絵を男性に変えて一冊にまとめたような話。

コンピュータサイエンスについても、大学の計算センターでカードパンチで入力していた時代から、PCが普通になっていくまでの期間を描いてある。

コンピュータの楽しさは、自分の手を離れても自動でコントロールできることにある。その例として、山の頂上から麓に溝を掘っていき、溝に沿ってボールを転がすゲームの話が書いてある。勢い余ってボールがコースをはずれれば、コースの曲がり具合をなだらかにする等の調整を行うことがプログラミングの楽しさだと。確かにそんな感じだ。

研究者とはどういう考え方をするのかという点について、私もそうだなと思うところあり、そこまでは出来ないなと思うところあり。

いつもの森哲学のエッセンスが凝縮されている本なので、森博嗣の本を一度も読んだことがない人にも勧められるかもしれない。

P.S.
てなわけで、久しぶりに数学でも齧りたくなり、別な一冊を買ってきたが、それはまた後の話。

喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)
森 博嗣
講談社
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